an another fixing project!/物との向き合い方を考える。
じゃじゃん!
扇子をフィックス!!
金継ぎの次は扇子。
before.
祖母の形見の扇子。小4の時にもらったもの。
気に入りすぎて四半世紀近く使っている計算。
▶お気に入りポイント:絵柄があざみ。 楚々としてちょっとざらつきもある野趣あふれる絵柄でしょう?素敵。
さすがに和紙の部分がもろくなって来たので修復を試みることに。
ネットで調べても扇子を自分で直すサイトが無い!!!
さて、何をどうすればよい?
補修のための、紙と糊、道具でしょうね。
和紙と洋紙の違い、特性を調べる。
扇子という折りたたみの構造上、薄くて丈夫な方が良いです。
→「和紙の繊維:長い(薄くても強い紙になる)」だそうで、
やはり「和紙」一択。
ネットをいろいろ調べて、上質そうで、高くなく和紙として、
封筒を購入。こちら↓
①和紙
②糊
糊は? 米糊と思って、黄色いチューブ糊を購入したのですが、
原材料をみたら小麦粉デンプンでした。
こちらでも問題ないのですが、せっかくなので300年持つという(!!)米糊を使うことに。
こちらのサイトを見ると、米を摺ったり水に漬けて自作出来るらしい。
デンプン糊に漆を混ぜて布で木器を修復する方法など、伝統工芸すごい。
試行錯誤の末、今回は漆は使わず、食べる用に炊いておいた
お米さんを練って糊化。
練り作業、ヘラで職人っぽい手首の返しが必要だね。
15分以上かかってそれっぽく。粒子が粗い部分は手で取り除いて、水で程よく薄めつつ使用。
ブラシはメイク用ブラシを洗ってから使用。
子供の頃観た漆塗りの刷毛をイメージして平太筆を。
記憶って役立つ。
■作業工程
封筒の和紙はそのままでは分厚い気がしたので上手く2枚に割いて薄い方を使用。
ペリペリっときれいに剥がれた。
内側の繊維がざらざらしている方が接着力が強そう。
パカっと割れていた部分には大きめに貼付け、
扇の縁が擦り切れている部分は最小限で補修。
2枚の薄い和紙を両面から貼付ける構造なのですが、
25年の歳月で粘着力が弱くなって開いていた部分は、
糊だけを紙の間にそっと塗り直し。
そして完成。
一晩乾かして強度もしっかり出ている感じ。
封筒の色ともとの和紙の色が完全ニアリー!!!
ネットで購入して奇跡的な色合わせ。
どこに貼ってあるか分からないレベル。
端はしっかり補修。
この写真の中に3箇所修理箇所があります。
分からないレベル。
また25年使えます。
ずーっと使い続けられるもの。
それは、自分がその物を当たり前にある物として扱えるかどうか、なのでは?
という結論に至りました。
ワクワクしてお気に入りのものでも、「belongs」として認識していない物は、
そのお客さん感に居心地を悪く感じて出て行くのかもなぁ〜、と心の整理を。
#扇子修理